メロンは高血圧の予防に。メロンに隠された栄養素とは
日本人はナトリウムを過剰摂取している?
塩が自由に手に入らなかった昔、塩は貴重品として扱われていました。
給料として塩を支給されていたこともあったようで、塩(salt)は給料(salary)の語源になっているという説もあります。
食塩は、よく知られているようにナトリウムと塩素が結びついた塩化ナトリウムです。
ナトリウムは血液など細胞の外にある体液の主要な陽イオンで、体液や循環の調節に重要な役割を果たしていて体には欠かせない物質です。
一方で、食塩が高血圧の原因になり、高血圧の予防や治療に食塩制限が大事だということはご存の方も多いと思います。
しかし、現代人は必要以上に塩を摂っています。
私たち日本人の食塩摂取量は最近でこそ減少傾向にありますが、まだ世界的に見ると多い状態です。
日本人が食塩を多くとっている食品は、カップめん、インスタントラーメン、梅干しが多く、その他にも漬物や干物などの塩蔵品が大半のようです。
特にカップめんやインスタントラーメンを食べると1日の摂取目標量のうちの大半の食塩を摂取してしまうそうなので気をつけたいところですね。
高血圧予防には、カリウムが必要
ナトリウムを多く摂ってしまうことで血管内(細胞外)のナトリウムが増えて血管内の浸透圧を上げます。
そこで補給した水分は、浸透圧が上がった血管内に入ることから血液量が増えてしまいます。
水分摂取により血液量が増え過ぎると血管も心臓も押し広げます。
結果、多くなった血液を送り出す心臓も強く拍動して血圧が上がってしまいます。
このように塩分摂取により血中のナトリウムが多くなると、多いナトリウムを薄めるために血管内の水分量が増え、その結果、むくみや高血圧の原因になります。
カリウムはナトリウムとバランスを取り合うミネラルで、体の中のナトリウム量が多い場合には余分なナトリウムを排出する働きがあります。
このため、カリウムを摂ると余分なナトリウムの排出を促してくれるので、血液量が増えて心臓に負担がかかることで起こる高血圧の予防や軽減にも繋がります。
血圧を下げるカリウムはメロンに豊富
カリウムが豊富な食材というとキュウリやスイカなどの方を思い浮かべる方も多いですが、実は100gあたりのカリウム含有量で見ると、スイカが120mg・キュウリ200mgとされているのに対して、メロンは350mgととてもカリウムを多く含んでいます。
同グラムで比較した場合はスイカの3倍近いカリウム量となりますから、少量で効率よくカリウムを摂りたいという場合にはメロンがとても役立ってくれます。
バナナもカリウム含有量が多いと言われている果物ですが、メロンも同じぐらいカリウムを多く含んでいる果物なんです。
メロンに含まれるカリウムは浮腫み(むくみ)も改善できる
味の濃いものを食べた後などにむくみやすくなるのは、血中ナトリウム濃度が濃くなりすぎないよう身体が水分を取り込み保持しようとするためです。
これも高血圧予防と同じく、カリウムを摂ることで余剰ナトリウムを排泄してくれるので、むくみ改善の効果が期待できます。
二日酔いにも効果的
アルコールの利尿作用によって体内の水分やカリウムを多く排出してしまいます。
体内のカリウムが欠乏すると脱力感、筋力低下、食欲不振などを起こしてしまうんです。
メロンに多く含まれるカリウムを摂ることで、これらの症状を緩和させることが期待できます。
また、飲酒による血清γ-GTPの上昇は、砂糖や果物類の摂食量で抑制されますので、果糖たっぷりのメロンを摂ることで肝臓の機能を整える効果も期待できます。
メロンは水分もたっぷり含んでいますので、二日酔いで失われた水分、カリウムをしっかり補給していけるから二日酔いにも効果的なんですね。
これだけの効能が認められるカリウム。
そのカリウムがメロンにはとても豊富に含まれています。
あまり効果効能がうたわれないメロンですが、
「高血圧、浮腫み(むくみ)、二日酔いにメロンがいい」
と覚えておいてくださいね。